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  • 執筆者の写真毛利仁洋

インドの「2019-2020暫定予算」6


11 国防強化と安全保障


・「同じ階級の軍人には同等の年金を」という軍人からの要望は40年間保留にされ、前政権では2014-2015暫定予算でわずか30億ルピーが認可されたにすぎなかった。しかし、現政権は既に3,500億ルピーを支給した。海軍と空軍の危険任務に就く者に対して相当の昇給を行った。国防費は2019-2020年度に初めて3兆ルピーを超える。


12 世界のインド人への支援


・世界のインド系の人々がインドとの結びつきを強めるためのいくつかの施策を実施する。


13 インフラ開発


・空港の数は100を超え、過去5年間で国内航空利用者数は2倍となった。高速道路は日々27㎞建設されるという世界最速のレベルである。より迅速な輸出入手続きを行える港湾開発プログラムを進め、内航路によるコンテナ輸送がコルカタからバラナシの間で始まった。ブラマプトラ河の航路容量を改善して北東部へのコンテナ輸送を開始することにしている。


・国産の準高速鉄道により、インド国民は速度と安全を備えた世界的に見ても遜色のない移動体験を得るだろう。鉄道に対する資本的支出は2019-2020年度に6,458.7億ルピーを提案し

ている。全体的な鉄道投資は1兆5,865.8億ルピーである。


・インドは世界の気象変動問題に取り組むに際してリーダーシップを発揮してきた。インドに世界の政府間組織である国際太陽光同盟の本部を設置したことはインドの責任感の現れである。さらに、インドは過去5年間で太陽光発電容量を10倍に増加させた。


・インドは原油やガスの輸入に頼っておりそれが大きな課題となっている。そのためバイオ燃料や代替技術により問題を解決する一方で、省庁間をまたぐ委員会が鉱山開発の入札システムの変換等を提言している。


・北東部開発のための予算を2019-2020予算で21%増加させ5,816.6億ルピーとする。


(つづく)

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