毛利仁洋
インドの金融資産
現在のインドの人口は13.7億人です。2020年代には確実に中華人民共和国の人口を抜くと予測されています。人口増加はあらゆる経済分野に影響を及ぼします。金融も同様です。インドの金融機関の総資産は2013年以降年率7%の勢いで増加し、2018年末時点で2.36兆ドル(約260兆円)にまで成長しました。同時期の日本の金融機関の国内総資産が1,117兆円ですから、約4分の1の規模にまで到達していると言えます。2050年には、インドの金融機関は世界第3位にまで成長すると見込まれています。
現在、インドの経済成長は減速していますが、社会資本の整備のために、短期集中的に投資することを12月20日に発表し、「今後数年で100兆ルピー(160兆円)を投資する」と述べました。これは驚くべきことです。2019年予算では、今後20年で1.5兆ドル(165兆円)を投資するとされていたからです。ずいぶんと期間を圧縮したものです。
財源はどうするのか、どこから資金を引いてくるのかという課題はありますが、金融資本の成長をインフラ投資に振り向けていくというグランド・デザインを示したと理解されます。
