インド人は数字に強いと言われていますが、政権与党BJPの下院議員総選挙のマニフェストもまた数字を使って国民の心に訴えることを狙っているように見えます。
題して、インド独立「75」周年の2022年までに実現する「75」の目標。
何回かに分けてご紹介します。
まず、「農業」から始まります。インドは農村人口が約60%であるため、有権者の過半数が農業従事者ということになります。選挙に勝利するためには最優先順位の取り組みが必要ということでしょう。
それでは、「農業」に関する目標です。
1. 2022年までに農業世帯収入の倍増
2. 新たに10,000の農業生産組織の設立
3. 農産物の最低支援価格実現のための十分な市場の確保
4. 大多数の農家が収入支援を得ることの保証
5. 小規模零細農家が60歳以降に社会保障を得られる年金システムの開始
6. 全ての灌漑事業の完成
7. 速やかな元本返済を条件として10万ルピーまでの短期無利子融資(1年~5年)の提供
8. 灌漑施設整備による耕作農地の拡大
9. 土地登記記録のデジタル化
10. あらゆる村にゆきわたる全天候型電力網の拡充
11. 倉庫及び他の施設を利用可能にすることにより大多数の漁業従事者の支援
12. 汚水の100%処理と水の再利用
簡潔に言うと、「農家向けの所得倍増論。しかも、4年以内に。」と私は捉えました。
2019年暫定予算では、農家向けの所得支援が明記されています。
「2ヘクタールまでの農地を有する農家には毎年6,000ルピーの直接的な所得支援が年3回に分けて銀行口座に支払われる。約1.2億戸の農家がこの恩恵を受ける。このプログラムによる年間支出は7,500億ルピーである。」
これに加えた農家向けの施策ということになります。
「バラマキ」という批判はあり得ますが、「貧困解決の本気度」と見ることもできるかもしれません。
(参照:BJPのマニフェスト、BJP Election 2019)
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